驚き ロバート・クリフトン卿Side

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 私はあっけに取られた。  今日は聖女のフランソワーズ・ボーズ・ラヴォイア嬢と待ち合わせをしていた。私は張り切って気合いを入れて、身支度を完璧に整えていた。最近流行りの芝居小屋にでも帰りにフランソワーズ嬢を誘うおうかと思っていたほどだ。  今日は先月問題になった、ある村に出没した魔物を確認しに行く予定だった。大したものではないと私は思っていて、すぐに魔物ではないと判明して、その後余った時間で食事か芝居小屋、もしくはその両方でフランソワーズ嬢を誘うつもりだった。  誘うには、かなりの勇気を出さなければならない。  それが、待てども待てどもフランソワーズ嬢は待ち合わせ場所にやってこなかった。私たちはロダン川にかかる美しいポンホの橋で待ち合わせをしていた。  恋人通しのロマンティックな橋を待ち合わせ場所に選んだのは、私の気持ちが先走っているからだろうか。  橋に馬車を待たせていると、騎士団の一人が血相を変えて早馬を飛ばしてやってきた。彼の報告を聞くなり、私も慌てて馬車を別邸に急がせる羽目になった。 「スティーブン王子が毒を盛られただと!?」 「さようでございます!」 「今、王子はどちらにいらっしゃる?」 「別邸でございます!聖女様が解毒を試みていらっしゃるようです!」 「分かった」  ――そうか。だから、フランソワーズ嬢は今日は来れなかったのか。
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