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焦りながら別邸に到着すると、ちょうどスティーブン王子が宮殿に急ぐために馬に飛び乗って飛び出してきたところに遭遇したのだ。
「王子!ご無事で?」
「あぁ、解毒してもらったから大丈夫だ!これから陛下に報告に行くところだ」
「かしこまりました。ご一緒します!」
私も馬に飛び乗り、王子について宮殿に着いた。
だがだ。
だが、なぜこういうことになっているのか、私は完全に面食らった。
スティーブン王子は陛下にお会いするなり、いきなり驚くべき発言をした。
「結婚しようと思います。私の結婚相手は聖女のフランソワーズを望みます」
「おぉ、そうか?」
陛下は目を見開いて、少しぽかんとした表情をした。あまりに突然のことで驚いたのだろう。私も耳を疑ってしまった。
晴天の霹靂だ。
スティーブン王子はフランソワーズ聖女のことなどこれまで意識したことがなかったと思う。
「分かった。聖女なら問題ないだろう。決断してくれて本当に良かった」
「はい、ありがとうございます!三ヶ月後に挙式をあげたいと考えております」
「なんと、それは急ぐな……」
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