18人が本棚に入れています
本棚に追加
/88ページ
スティーブン王子は私の胸を見つめて頬を赤く染め上げていて、煌めく瞳には私の顔が確かに映っているはずなのだ。顔を赤らめて快感に身悶えする私の顔が。
私は初めてスティーブン王子のことををよく分からないと思った。
「待って……待って……あぁんっあんっあぁぁっあっ」
愛を失ってそれを心の奥に隠して泣き崩れていた美しい彼は、この日、獣だったのかもしれない。
そしてそれに応えた私は、彼に対する愛を隠しているだけのただの一人の若い女性だった。
私たちはその日、自分たちの運命を変えたのだ。
最初のコメントを投稿しよう!