きっかけ ※

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 スティーブン王子は私の胸を見つめて頬を赤く染め上げていて、煌めく瞳には私の顔が確かに映っているはずなのだ。顔を赤らめて快感に身悶えする私の顔が。  私は初めてスティーブン王子のことををよく分からないと思った。 「待って……待って……あぁんっあんっあぁぁっあっ」    愛を失ってそれを心の奥に隠して泣き崩れていた美しい彼は、この日、獣だったのかもしれない。  そしてそれに応えた私は、彼に対する愛を隠しているだけのただの一人の若い女性だった。  私たちはその日、自分たちの運命を変えたのだ。
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