戸惑い スティーブン王子Side

6/7
前へ
/207ページ
次へ
 僕はそっとフランソワーズのおでこにキスをした。なんでそんなことをしたのかは分からないが、彼女の全てを見た男の責任として、彼女を守ろうと誓った。 「アーチー、いいか?誰が犯人か調べて調査結果を報告してくれ」  後ろで控えていた騎士団長のアーチーに厳しく命令した。   「はい、王子」  アーチーはすぐに部屋を辞した。 「この者たちが、今日からフランソワーズの侍女だな?」    僕は別邸の全てを取り仕切るクランセラー夫人に尋ねた。5人の侍女が夫人の後ろに控えていた。 「さようでございます」  僕が見る限り、以前から別邸で働いていた侍女たちばかりで新顔はいない。 「私の妻になる人だ。未来のリーズベリーの女主人になる人だ。大切な人だから、心して世話を頼みたい」  僕はクランセラー夫人とその後ろにじっと控えている5人の侍女にお願いした。 「かしこまりました、王子様」  皆が神妙な顔つきで返事をしてくれた。僕はクランセラー夫人と侍女たちにまた後で様子を見にくると伝えて、客室を出た。  客室のすぐ外には守りの騎士が2名立っている。 「頼むぞ」 「はっ!」 「かしこまりました!」
/207ページ

最初のコメントを投稿しよう!

383人が本棚に入れています
本棚に追加