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僕はそっとフランソワーズのおでこにキスをした。なんでそんなことをしたのかは分からないが、彼女の全てを見た男の責任として、彼女を守ろうと誓った。
「アーチー、いいか?誰が犯人か調べて調査結果を報告してくれ」
後ろで控えていた騎士団長のアーチーに厳しく命令した。
「はい、王子」
アーチーはすぐに部屋を辞した。
「この者たちが、今日からフランソワーズの侍女だな?」
僕は別邸の全てを取り仕切るクランセラー夫人に尋ねた。5人の侍女が夫人の後ろに控えていた。
「さようでございます」
僕が見る限り、以前から別邸で働いていた侍女たちばかりで新顔はいない。
「私の妻になる人だ。未来のリーズベリーの女主人になる人だ。大切な人だから、心して世話を頼みたい」
僕はクランセラー夫人とその後ろにじっと控えている5人の侍女にお願いした。
「かしこまりました、王子様」
皆が神妙な顔つきで返事をしてくれた。僕はクランセラー夫人と侍女たちにまた後で様子を見にくると伝えて、客室を出た。
客室のすぐ外には守りの騎士が2名立っている。
「頼むぞ」
「はっ!」
「かしこまりました!」
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