ゾフィー令嬢の失踪 クリスティーネSide

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「確かに妙なことだ。あんな貧しい家の出身の第二聖女とスティーブン王子が急に結婚を発表したことは、我々にとって衝撃的だった。誰も予想がつかないことだった。薬を使って?まさか……?」  ゾフィーお嬢様がスティーブン王子に恋焦がれているのは、私たちは知っていた。  しかし、ゾフィーお嬢さまは激情すると怖いのもの知らずでもあった。私は本当にお嬢様が激情して死を選んだのではとゾッとした。  ――大金持ちのお嬢様でそれはそれはお美しいお方なのに、なんてことを……。  私たちは涙を拭って、お嬢様のご無事を祈った。
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