リーズベリー城での最初の1日

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 スティーブン王子が私の手を取った時、電気が走ったようなときめきが全身を貫いてしまった。それは私が王子をお慕い申し上げているからだ。  ――これは演技だと思って!  私はハッとした顔で私を見つめたスティーブン王子にさりげなく微笑んで見せた。  天国のような状況で、難易度が高い振る舞いを求められる状況に、私はめまいを感じた。  これがずっと私に課せられた契約だとすると、続けられるか心配だ。いつか、私がスティーブン王子に恋してしまっていることが露呈してしまい、宮殿を追い出されてしまうのではないか。  そうなったらもう、王子のそばにいる聖女に戻ることは不可能だろう。
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