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「もう、帰れないぞ。戻れないぞ」
俺は耳を疑った。
「へ? おい。鯛! 何か言ったか?」
「いや」
「そうか……」
「もう、帰れないぞ。戻れないぞ」
俺はカチンときた。
「いいかげんにしろ!! 鯛!!」
「は?」
鯛の奴じゃない。
さっきから聞こえる声。
そうか、俺の頭の中で声がしてるんだ。
もう、帰れないだって? 戻れないだって?
そんな馬鹿な!!
一生。踊ってろ。って、意味なのか!
単に夢の中だろ。
ここ……?
まあ、まずは飯だ。
かき氷食って、腹減ったぞ。
旅館に戻ろうか。
鯛の奴も腹減ったんだろうな。
しきりに腹を擦っているしな。
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