届けたい思い

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 昼下がりの午後三人の女性が集まって話をしている。そこへ幼稚園バスが止まった。三人の子供が下りてきた。 「ただいま」 「お帰り」  三人の母親達は又話し始めた。 子供たちはお互いちょっかいを出し合って母親達が終わるのを待っている。 「私はこれで」 そう言うと女の子の手を引いて離れて行った。 ママ友でかなり仲がいいのだろう。男の子は追いかけまわしを始めた 「キーッ」 車のブレーキの音と共に「ドン」とぶつかる音がした。 二人のママは自分の子がどこにいるのか見回した。 悲鳴を上げたのは佐々木昇の母親だった。 道路に飛び出したらしい。車の運転手も動揺して出てきた。 佐藤香は自分の子でなくて良かったと思っていた。そして冷静に救急車を呼んだ。 ピクリとも動かない昇が救急車で運ばれて行った。
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