委員会の先輩

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今日の放課後は初めての委員会活動がある。 なんか3年生の先輩と一緒に仕事をするみたい。 その先輩は、『図書室の女王様』って呼ばれているらしい。 その先輩と私が一緒に委員会活動をするの?! ムリだって! 目立っちゃうって! 「ふぅぅぅぅ」 深い深呼吸をして、心を落ち着かせた。 でも少ししか緊張しかとれない。 私は覚悟を決めて、重いドアを開けて図書館に入った。 中に恐る恐る入ると、カウンターに深緑色の髪をして眼鏡をかけた、いかにも頭が良さそうな先輩が座っていた。 それはまさに『図書室の女王様』を連想させるものだった。 こんな綺麗な先輩、私なんかと一緒でいいのかな。 「あの、1年の詩葉琉月です。えと…3年生の先輩ですか?」 先輩はゆっくりとした動作で振り返った。 「そう。私の名前は一ノ瀬珂織。よろしくね」 「よ、よろしくお願いします、一ノ瀬先輩」 私がそう言うと、一ノ瀬先輩はかすみ草が咲いたかのように微笑んだ。 笑うというより、微笑んだ。 ふぅん。 こういう人を奥ゆかしい人っていうんだろうね。 演技の参考にしよう。 「緊張しないで大丈夫だよ。あ、あと珂織先輩でいいか  らね。呼びやすい名前で呼んで」 「……はい!」 私は少し驚いた。 見た目からいってもっと厳かな人だと思ったけど、心優しい人だ。 この人となら心置きなく話せそうだな。 よかったぁ。 「それじゃあ、はじめよっか。」 「はい。」 委員会、絶対楽しくなるって! そのあと委員会の仕事を一通り教えてもらって、「覚えがいい」って褒められた! ふふふ。
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