不思議な彼女

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不思議な彼女

あっという間に時間は過ぎ去り、放課後という地獄の時間になった。 俺が机で突っ伏していると陽奈が小走りで寄ってきた。 すると陽奈は顔の前で手を合わせた。 「ごめん。友達とドーナツ食べにいくことに  なっちゃった」 どうやら行けなくなったようだ。 ん? 俺は頭の中で豆電球がピカッと光った気がした。 ということは、俺ついて行かなくていいのでは? 陽奈は俺の考えがわかったように 「ん?だから1人で行ってきて」 俺は行きたくない。 絶対に行きたくない。 ぐぬぬぬと考えを巡らせていると、ある考えが浮かんできた。 だったら、したフリをすればいい。 我ながらいい考えだ。 「証拠もね」 「はぁっ?」 どうして、どうしてそんなに秘密を暴きたいんだ、お前は。 でもどうやるんだ? 俺はまた頭をフル回転させた。 俺の中で結論が出る前に、陽奈が言った。「そんなこともわかんないの?スマホの写真  で撮ればいいの」 それ……もうストーカーじゃん。 「だって、拓海スマホ持ってるでしょ?知って  るんだから。私も中学生になったからって  パパとママに買ってもらったの」 どうして俺が持っていることを知っているんだ、コイツは。 本当にストーカーなのか? 「あぁぁぁっ。行っちゃうよ!早く追いかけ  て!じゃ、あとは頼んだよ」 あの野郎。 あとで覚えておけよ。
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