不思議な彼女

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彼女(星宮)は廊下を進んで階段を上がり、4階に向かった。 俺は彼女の後をこっそりとつけていた。 つけるのって何年ぶりだろ。 別に変な意味じゃねーよ? 遊びとかでやっただけであって、決してストーカーなんかではない。 絶対。 それにしても、なんで4階に来たんだ? 4階なんて、理科室とか調理室とかしかないから滅多に来ないと思うし。 多分使わないし。 あっ写真撮らなきゃ。 忘れるとこだった。 ってか忘れてたけど。 俺はポケットからスマホを出し、写真を撮った。 よし、ピントも合ってるし大丈夫だな。 俺が、帰ろうとしたときだった。 [コロスコロスコロスコロスコロス……] 不気味な男の声がした。 思わず俺は、帰ろうとしていた足を止めてしまった。 そして、階段の近くにある柱の影に隠れ、声がした方を向いた。 チラリと覗くと、俺は危うく悲鳴をあげそうになった。 そこには、不気味な灰色の肌をして項垂れている人がいたのだ。 いや、人じゃない。 じゃあアレはなんだ? そんなことを考えて状況を整理していると、星宮の声がした。 「やっぱりいましたか。すみませんが、祓わ  せていただきます」 祓う? なんのことだ? そのあと、星宮はバックからロープを取り出し、そいつの手を縛った。 縛るのにかかった時間は、約10秒。 早い。 もしかして、このようなことに慣れているのか…? というか、そもそもなんで平然としていられるんだ? そう俺が思っている間に、星宮はそいつの中から宝石のようなものを取り出した。 その宝石のような物体の色は、血のような黒みがかった赤色。 ……ちょっと待って。 星宮の目が、青くなってるんだけど? 元々の星宮の目は、確か黄色だったはず。 なんでだ? もしかして見間違い? きっとそうだ。 人間の目の色が変わるなんて信じられない。 もう一度見ると、そこにはいたはずの人ではないものがなくなっていた。 星宮は何事もなかったかのようにロープを拾い、 「ふぅ。帰りましょうか」 と言った。 マズイ。 下に降りる階段はここだけ。 ということは、ここを星宮が通るから俺がいたことがバレる。 ……本当はやだったけど、仕方がない。 俺は近くにある窓を開け、空中に身を投げ出した。 そして壁を蹴って一回転をし、減速。 無事に怪我なく地上に降り立った。 実は、俺は生まれつき身体能力が高い。 だから、体を動かす系のやつだったら普通の人ができないこともできてしまう。 そして、俺は急いで家に帰った。 空は、あのとき見た宝石のようなものと同じ、血のような赤色だった。
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