密室恋愛 下巻

お祝いラッシュ

　しかし、どのメッセージもいいな。　こんなの見せられたら、ますます贈りたくなる！

　でもここに書いてある全てのメッセージを吉岡に届けようと思ったら、ガーベラを194本も買わないといけないのか？
　一人で194本も買うやつが居るから市場でガーベラが品薄になっちゃうんじゃないか？！　全くどこのどいつだ、そんな迷惑なことをするやつは！！　あっ俺か！？

　真犯人が自分だという事実になんとなくいたたまれなくなった俺は、何も買わずに花屋から出た。

　だが困ったぞ。コサージュと同じピンクのガーベラを贈るというアイデアがいきなり頓挫した。
　真知子さん、湯浅のお母さん、近藤さんからうまいもんはごちそうになってるから、何か食べ物以外で俺も吉岡の卒業を祝ってやりたい。

　さて、どうしよう。何を贈ればいいんだろう？　あれっ、贈り物といえば
あと一ヶ月で吉岡の誕生日じゃないか！？　更に誕生日の4日後には入学式だぞ。ひょっとして入学祝いも必要なんじゃないか？
　しまったどうしよう、卒業祝いのアイデアが没になったこのタイミングで、プレゼントが3つも必要になるとは。今回完全にノーアイデアだぞ！？

　急激に焦った俺はひとまずマンションへと戻り、引き出しから吉岡にやってやることリストを引っ張り出した。
　吉岡が卒業した今、この中にプレゼントのヒントが隠れてるんじゃないか！？