合格祝賀パーティー(ハル)

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合格祝賀パーティー(ハル)

「湯浅くんのお宅に来るのも、今日が最後かもしれないな」  ふとそんな事をつぶやきながら、私はガレージに自転車を停めさせてもらう。  後藤くんと湯浅くんの見慣れた自転車が仲良く並んでいる。前カゴにヘルメットが入っているのが湯浅くんの自転車だ。  でも見知った二台以外にも、今日は色とりどりの自転車がたくさん並んでいる! えっ? 今日って一体誰が来ているんだろう!?  私は不測の事態に身構えながら、ポーチを駆け上がりインターホンを押した。 「ハルちゃんいらっしゃい〜!」  上機嫌のスミレさんが出迎えてくれる。 「合格おめでとう!!」 「あっ、ありがとうございます。これ、頂き物ですが……」 「まぁ~、萩の月じゃない! ありがとう。これ美味しいのよね〜!」  紙袋を受け取ってもらえてホッとする。  覗き込んだリビングには誰もいなかった。 「あれ?」  驚いて振り向くと、廊下でスミレさんが手招きしていた。 「ハルちゃんこっちこっち! 今日はベランダでバーベキューパーティーなのよ!」  スミレさんについて階段を上る。湯浅家の2階に上がるのは初めてで少し緊張する。  2階に上がり、人口密度の高さに驚く。 「えっ、こんなに!?」 「武彦くんに連絡をお願いしたら、パソコン部のラインで参加を募ってくれたの。そしたら後輩くんたちがみんな来てくれたのよ! 今日はみんなの名前を覚えなきゃいけないから、忙しいわ!」  スミレさんったら、全員の名前を覚える気でいるの!?  これ、ざっと見て20人は居ると思うけど……。
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