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和やかな雰囲気
「広瀬! お前本当に青学受かったんだってな、おめでとう!」
後藤くんがニコニコしながら広瀬くんと握手している。
「俺、今だから言うけど青学はさすがに厳しいだろ!? って思ってた!」
後藤くんはそんな事を言ってニシシと笑う。
「俺も湯浅が青学の話持ってきた時は目が点だった!」
広瀬くんもそんな後藤くんに笑顔で答えている。いつの間にこの2人、こんなに仲良くなったんだろう?
もともとコミュニケーション能力の高い2人だから、違和感はないけれど。
「湯浅、ありがとな。俺も吉岡が言ってたみたいに、ここに来なかったら青学なんて選択肢にすら入ってなかった」
「僕は何も……広瀬くんが頑張ったからだよ!」
湯浅くんらしい返答に心が和む。それより倉田さんの存在が気になった私はチラリと横目で様子をうかがう。
倉田さんはソファに座らされ、超ハイテンションなスミレさんに捕まって質問攻めに遭っている。
これは助け舟を出したほうがいいやつかな? と迷っていたら、ベランダから大きな声がした。
「火起こし完了〜!」
背の高い縁なしメガネの男の人が首にタオルを引っ掛けて外から叫んでいる。
「あら、ありがとう。すぐに食材運ぶわね!」
スミレさんは慌てて立ち上がった。
「あっ、手伝います!」
慌てて駆け寄ったら、スミレさんは私の肩をグイッと押さえつけてソファに座らせた。
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