♯ 99

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♯ 99

_____ はぁッッッ !?!?!?!?!? 土方「 瑞希御前ッ ... あの任務全部新入りに押し付けたのか ?!?!?!?! 」 瑞希「 言い方失礼すぎだわ 。力試しだよ力試し 」 土方「 否あれは力試しってレベルじゃ ... 」 沖田「 あれぐらい新選組の隊士なら出来て当然でしょう 」 土方「 総司まで ... だってあれ俺等みたいな上級幹部向けの任務だぞ ... ? 」 沖田「 ... 土方さん 。あの新入り達は土方さんが集めたんですよね 」 土方「 あ、嗚呼 ? そうだが ... 」 沖田「 土方さん 。貴方はあんな任務でへばったり死ぬ程の弱い野郎を     雇う程の莫迦なんですか ? 」 土方「 はッ !?!?!? てめッ、失礼なッ ... 」 瑞希「 そう返すってことは彼奴等に信頼を置いてるってことでしょ 」 土方「 ... まあ ... そうだが ... 」 藤堂「 ... あのよー、気になってたんだけど 」 藤堂「 彼奴等って何処で見つけたんだ ? 」 瑞希「 あ、確かに 」 沖田「 まあここらへんの方でしょうが ... 」 土方「 ... 聞きたいか ? 」 瑞希「 え、何そのガチトーン ... 怖いんだけど 」 沖田「 なんです、あの人達もなんか苦い過去持ってるんですか 」 土方「 二人だけな 」 原田「 後の二人は ? 」 土方「 普通に幸せな家庭で育った男 」 原田「 ならよかった ... じゃなくて 」 原田「 その苦い過去持ってるっていう二人って誰だ ? 」 土方「 ... 蛍と千華だよ 」 藤堂「 え、めっちゃ意外 」 瑞希「 うん、あの二人は明るい過去持ってそうなのに ... 」 沖田「 ちっちゃい頃から喧嘩しまくって泥だらけになって家に帰って来る     ごく平凡な男の子じゃないんですか !? 」 土方「 御前等偏見がすぎるぞ 」 山南「 で、どういう経緯であの御二方と知り合ったんですか ? 」 土方「 ... 俺が見廻りをしてた時だ 」 ・ 俺はその日一緒に見廻る予定だった隊士が熱でぶっ倒れちまったから、 一人で夜の京の街を見廻りしていた 土方( 此処らへんも異常なし ... っと ) 最近起こっている幼女誘拐事件の手がかりを少しだけ掴めた以外、特に なんの異常もなかったから、屯所に帰る ... じゃなくて 少し、夜の散歩をして帰ろうと思った 土方「 適当に彼処の山でも登るか ... 」 俺は眼の前にある山に登ることにした 夜に登っても対して危なくないし、頂上付近に神社と小さい村があるから 道も整備されている まあ要するに怪我をする心配がない、比較的安全な山だ 土方「 やっぱ夜の風は最高だ ... 気持ちい ... 」 静かに吹く涼しい夏風を浴びながら、山を登っていった もう少しで頂上付近の神社と村 ... というところで 一寸した違和感があったんだ 土方( ... 血の匂い ... ? ) 此処の山は狩りをするに丁度いい野兎がいるだかなんだかで、狩人が 日頃から沢山来るからな 。別にこの山で血の匂いがするのは可笑しくないんだ 。 けど、その日のは ... なんというか 動物の血の匂いじゃなかった 土方「 まさか人がッ ... 」 そう思った俺は、血の匂いがする村の小さな家に向かって走った ガラッッ 土方「 何事だッ ... !!?!? 」 血の匂いがする家の扉を開けた時、まず目に入ったのは 土方( こりゃ酷ェ ... ) 原型を留めていない夫婦の遺体 複数個所の刺し傷と切り傷 ... 恐らく両方とも刀でやられたものだろう 首の方から出血しているから、恐らく即死 つまり ... この眼の前にいる " 餓鬼二人 " が 恐らく親と見られる夫婦を、死んでもなお斬り続けた ... ということになる 土方「 おい、御前等何してるんだ ... ? 」 其奴等も怪我してたから、手当しねェとと思って声を掛けると、 返ってきたのは 「 俺は悪くないんです 」 言い訳とも聞こえる言葉だった 「 俺は只此奴を守ろうとして ... でも気づいたら目の前に二人が倒れてて ...   その間の記憶はないんです 。気づいたら倒れてた 」 「 此奴俺が殺ったっていうんですよ ? 可笑しくないですか ?( ニコッ 」 土方「 ッ ... 」 違う もう一人の餓鬼が云ってることが正しい だって御前には ... 土方( 大量の ... 返り血が付いているから ) まあ相手はまだ10代の餓鬼だ、その場で斬り殺す程俺も残酷な人間じゃない 一度事情を聞いてみようと思い、奥で静かに震えているもう一人の餓鬼に 声をかけた 土方「 えっと、何があったんだ ... ? 」 土方「 で、この人達はどっちのお母さんお父さんかな ? 」 「 お、おれです ... 」 ... まあ先刻の餓鬼の言い分から予想はしていたが ... やっぱりか まあ考えられるのは、此奴が虐待されてて、あの餓鬼が大事な人を傷つけられた 怒りと守りたいという強すぎる気持ちから自我を失い、夫婦を惨殺してしまった というところだろう 「 おれ ... 痛かった、だから叫んだ 」 「 そしたら " 蛍 " が来て ... 片手には刀持ってて 」 「 その瞬間、僕の胸ぐらを掴んでた親を引っ剥がして ... 斬った 」 土方「 ... 彼奴は蛍っていうのか 」 「 はい 」 土方「 御前は ? 」 「 俺は ... 」 藤崎「 千華っていいます ... 」 土方「 千華、蛍 。取り敢えず御前等がお互いに思いあった結果こうなって     しまったっていうことだけ判る 」 土方「 御前等は悪くない 。悪いのは此奴等 ... この屑親共だ ... 」 桐生「 御前が ... 御前が悪いんだろ !!!!!!!!! 」 藤崎「 え ... ほ、蛍 ... ? 」 桐生「 御前が夜中に叫んだりなんかするからッッ ... 俺はッッ ... 俺はッッ ... 」 桐生「 俺は御前なんかの為に手を汚したくなかった !!!!!!!! 」 仲間割れ、というところか 二人は俺の眼の前で喧嘩をし始めた 藤崎「 そ、そうなんだったら俺のこと助けに来なきゃ良かっただろ !?!?!?!?     俺は一人で勝手に死んでッ ... 」 桐生「 嗚呼御前は死んでいいよ !!!!!! 」 藤崎「 ッ ... 」 桐生「 でもな !!!!!!!! 隣に住んでる俺が助けに行かなかったら俺への村人からの     信頼が消える !!!!!!! 」 桐生「 " 隣で友達が殺されかけてるのを無視した最低野郎 " ってな !!!!!! 」 藤崎「 ッ ... 蛍はいっつもそうだよ !!!!!!! いっつも自分のことばっかり !!!!!! 」 桐生「 それは御前の方だろ !?!?!?!?!?!? 」 桐生「 御前なんか死しんじまえ !!!!!!!!! 」 藤崎「 あッ ... 」 桐生「 はーっ ... 」 土方「 ちょ、御前等ッ ... 」 このまま放置してたら此奴等は確実に堕ちるッ ... 土方「 取り敢えず一緒に来い !!!!!! 」 ・ 土方「 ___ てな感じで彼奴等二人を連れて帰って ... 試しに稽古してみたら、     勝てはせんが俺に張り合えるぐらいになってな 」 土方「 その腕を見込んで瑞希の部下にしたんだ 」 「「「 ... 」」」 土方「 お、おい御前等 ... ? 」 「「「 ダバッッッ 」」」 土方「 ギョッッ !?!?!?! 」 瑞希「 蛍ぅぅぅぅぅぅぅぅ !!!!!!!! 千華ぁぁぁぁぁぁぁ !!!!!!! 御前等そんな     暗くて辛い過去をッ ...( 大号泣 ) 」 沖田「 なんて暗い過去を ... 俺が養ってあげないと ...(?) 」 原田「 見直したぜ桐生に藤崎 !!!!!! これからは俺等が御前等を守ってやるからな !!! 」 藤堂「 うわぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ" !!!!!!!!!!!!!( 大号泣 ) 」 山南「 グスッ 」 土方「 え、ちょッ ... 」 土方( どうすりゃいいんだこれッ ... ) ・ 千華「 っくしゅっ 」 千華「 ズズッ 」 蛍「 なんだ風邪か ? 」 千華「 かも 」 蛍「 ふーん、そのまま死ねば ? 」 千華「 はぁッ !?!!?!? 手前今なんてッ ... 」 蛍「 ... パサッ 」 千華「 え 」 蛍「 ... 御前が風邪引いたら組長に迷惑かかるだろ、それ着とけ 」 千華「 ... フフッ 」 千華「 ありがと ...( ボソッ 」
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