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♯ 86
狼架に調合を依頼して、僕は家に帰宅した
時刻は18:00 過ぎ 。皆と分かれてから四時間経っている 。
ガチャッッ
瑞希「 ただいまー 」
真緒「 瑞希 」
瑞希「 ひょえっっ ... () 」
扉を開けると其処には
仁王立ちをした真緒お兄様が立っているじゃありませんか()
真緒「 ... 御前がぶっ倒れてたのはさておき、 」
真緒「 此奴等、誰だ ?( ニッコォ 」
にっこり笑顔( 怖い )で指を指したのは、
正座をさせられている沖田様達だった
瑞希「 一寸待って真緒、なんで正座させてんの 」
真緒「 は ? 御前に近づく男だろ ? しかも一人に関しては瑞希に近づく
害虫の癖に俺の服を着てる、どういうことだ ? 」
真緒「 否そもそもなんで夕星以外の男を家に連れてこんでるんだ ? 」
瑞希「 夕星 ... ッッッ 」
夕星に助けの目を向ける
星降「 すいません、止めようとしたんすけど ... 無理だったんで、多分それ
もう止まんないっす 」
瑞希「 嘘だろ ... 」
・
それから二時間、玄関で真緒によるシスコンの演説( 説教 )を聞いた
瑞希「 真緒 ... 長い ... 」
沖田「 足、しびれた ... 」
土方「 立てねぇ ... 」
胡月「 待って助けろ色々と助けろねえ 」
星降「 胡月さん、どうしたんですか ? 」
胡月「 足しびれたから感覚がねぇ、痛覚もねぇ、兎に角助けろ 」
星降「 それは自然に治るので大丈夫ですよ 」
胡月「 え、そうなのか ? 」
真緒「 で、瑞希 。此奴等誰なんだ ? 」
瑞希「 ... 新選組の副長と壱番隊組長様と幹部 」
真緒「 ... は ????? 」
瑞希「 僕なんでかしらんけどタイムスリップして江戸時代行ってたの 。
で僕が新選組の任務で疲れてぶっ倒れた時、近くにいた沖田様達を
連れて未来に戻ってきちゃったって訳 」
真緒「 ... は ?????( 二回目 ) 」
瑞希「 だーかーら !!!!! 」
瑞希「 新選組の人達なの !!!!!!!! 」
真緒「 ... はぁあぁぁぁぁぁぁぁ !?!?!!?!??! 」
___ そして今、真緒は全力で
真緒「 すいませんでした( 土下座 ) 」
土下座している()
土方「 ... まあ、俺等のこと知らなかったんならしょうがねぇ 」
沖田「 こればかりはしょうがないです 。ほら、頭を上げて下さい 」
胡月「 俺等御前の妹さん取ったりしねぇから、安心しろ 」
真緒「 ほ、ほんとに取ったりしないんすね !?!?!?!? 」
真緒、触れるトコは其処じゃないだろ()
「 許してくれるんですか 」だろ()
星降「 真緒さん、其処は許してくれるんですかって云うところっすよ 」
ナイス夕星
沖田「 ... さあ、どうでしょう ?( グイッッ 」
瑞希「 あえ 」
すると沖田様が、
僕のことを引き寄せた
瑞希「 は、え !?!??! お、沖田様ッ ... !?!!??!?! /// 」
沖田「 こんな顔も整っていて、性格も良いお方です 。もしかしたら ... 」
沖田「 私がいずれ、食べてしまうかもしれません( ペロッ 」
沖田様の舌ペロっっっっ ... !!!!!(((
真緒「 なッッ ... !?!??!?! 」
星降「 ちょ、沖田さん ... 」
真緒「 ... 取ったら殺しますよ 」
沖田「あはは、貴方に私が殺せるとでも ? 」
バチバチィッッ
わあ、二人の間で火花が散ってる()
土方「 ... 瑞希の兄さんと総司は相性最悪だな 」
胡月「 だな 」
・
それから沖田様と真緒の圧の掛け合いを、僕と歳で止めて()
時刻は22:00 。良い子は寝る時間 。
僕は部屋で寝る前の火消しに、と思い、久し振りに軽く音ゲーをしていた
コンコンッッ
その時、僕の部屋のドアがノックされた ?
瑞希「 何、真緒 ? 」
音ゲーを叩きながら聞く
土方「 否、俺だ 」
瑞希「 歳ィ !?!?!??! 」
それは予想外の来客者だった
土方「 入ってもいいか ? 」
瑞希「 あ、どうぞ 」
ガチャッッ
そういうと歳はすぐに部屋に入ってきた
土方「 ... 何してるんだ ? 」
瑞希「 音ゲー ... 音楽に合わせて、こういう風に流れてくる譜面を叩く
遊戯だよ 」
土方「 ... 全然判らん 」
瑞希「 でしょうね 」
瑞希「 これ終わったら要件聞くから、、其処のソファでもヨギボーでも
座って待ってて 」
土方「 ん 」
歳がわざわざ僕の部屋に来る程の用事ってなんだ ... ?
そう思いながら、残りの譜面を叩く
数十秒後、曲が終了した
瑞希「 終わった 。で、要件は ? 」
土方「 ... 手前、何処行ってたんだ 」
... あー、其処を付くか
流石鬼の副長、凄い観察眼だ
瑞希「 ... まーいっか、仮にも歳協力者だしね 」
土方「 ... やっぱり、総司に関係することなんだな 」
瑞希「 うん 」
瑞希「 実はね、茨城の親戚の家まで、薬の調合依頼をしに行ってたんだ 」
土方「 薬の調合依頼 ... ってもしかして結核のか ? 」
瑞希「 そ 。結核治療・予防に加えて、飲むだけで免疫力が上がって健康に
繋がる栄養剤の役目も果たしてくれる ... そんな薬を調合して欲しいと
頼みに行ってたんだ 」
土方「 手前の親戚、薬の調合出来るんだな ... しかもそんな凄い薬 」
瑞希「 まー医者だからね 」
瑞希「 彼奴が作る薬の効果は凄くてね、軽い怪我でも重症でも彼奴の薬を飲めば
すぐ治っちまう 」
瑞希「 歳達の時代には結核の薬がないから、未来に来て貰って帰ろうと
思ってたの 。だけどどうせなら、効果抜群のものを沖田様に
飲ませてあげたいじゃん ? 」
瑞希「 其処で !!!! 天才調合師の神楽狼架様に調合を依頼しに遠出していたの
です !!!!!! 」
土方「 ... その狼架って奴は判んねぇが ... 」
土方「 ほんとにその薬を飲めば大丈夫なんだな ? 」
瑞希「 勿論 」
土方「 でもどうやって飲ませるんだよ ... ? 彼奴重度の薬嫌いだから、
そう簡単には飲ませられないぞ 」
瑞希「 それに関しては大丈夫 」
僕はドアのすぐ横に置いていた大量の段ボールに手を伸ばし、中身を取り出す
瑞希「 じゃーん !!!!!! 」
土方「 ... なんだそれ ? 」
瑞希「 子供用の薬の味を判んなくさせて飲ませる甘味( ゼリー ) !!!!!
これを使えば、沖田様は甘味好きだし、怪しまずに飲んでくれると
思う !!! 」
土方「 へー ... 未来では随分と便利なもんが作られてんだな 」
瑞希「 でしょでしょ ? 」
土方「 ていうか御前が先刻バタバタしてたのはそれを運んでたからか 」
瑞希「 うん、沖田様にバレる訳にはいかないから 。取り敢えず玄関前の
死角になるところ置いて、後から取りに行ったの 」
瑞希「 取り敢えずは五年分購入してきたので、当分は大丈夫 !!!! 」
土方「 ... 御前その量の段ボール ... もしかして ... 」
瑞希「 嗚呼、勿論一人で持って帰ったけど ? 」
土方「 化け物だ 」
瑞希「 あ" ? 」
瑞希「 ... まあ、狼架の実力だし明日ぐらいには調合完了してるだろうから 」
瑞希「 早速明日から沖田様に薬を飲ませていくよ ~ !!!!! 」
土方「 そうだな ... 」
土方「 総司が結核なんかで死ぬのはあまりにも可哀想だ 」
瑞希「 ... 沖田様は理想の死に方があるんだね 」
土方「 嗚呼 。... 教えられねぇが ... いつか御前には彼奴から話してくる
だろうよ 」
瑞希「 えぇ、僕に ? 沖田様自ら ? 有り得ない有り得ない w 」
土方( ... 此奴 ... 総司の好意に気付いてねぇのか ... )
土方( 否待て、総司自身も瑞希への好意に気付いてないようだったな ...
え、だとしたら先刻の無意識で云ってたの ? え ? )
✘ 先刻 = 食べてしまうかも知れません
土方( ... はぁ ... 駄目だこりゃ ... )
あれ、なんか歳が少し呆れた顔をしたような ...
... 気の所為かッ !!!!
瑞希「 ... 歳には理想の死に方、あるの ? 」
土方「 俺か ? 」
土方「 んー ... やっぱり、近藤さんの為に戦って ... 新選組の副長として
戦って、死にたいな 」
土方「 俺は新選組の為に死にたい 」
瑞希「 ... そ 」
... 歳、よかったな
御前の死に方は叶ってるよ
新選組の為に最後まで全力で戦って、亡くなった
そんな死に方をする歳を、不覚にもかっこいいと思ってしまう
土方「 ... そういう手前はどうやって死にてぇんだよ 」
瑞希「 僕 ? 」
瑞希「 ... 僕は ____ 」
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