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それからいろんな店を見歩いてたら、お腹がすいてきた。よく見たらもう12時だ。
「お腹すいたね」
って言ったら、クレープが食べたいってリクエストされたのでフードコートへ。買ってきてあげるよって言われたから、待ってたら、クリームもりもりでとてつもなく甘そうなのを二つ持ってきた。服装とのアンバランス感…。
「あ、ありがとう」
崩れないようにどうにか受け取る。目の前には美味しそうにもりもりクレープを食べる陽向。私もクレープに口をつける。あ、いちごが入ってる。
「私、いちご好きなんだよね。」
なんていいながらもう一口、美味しい、すごく甘いけど。何を血迷ったか、私はクリームをわざと鼻につくように食べた。陽向が取ってくれるんじゃ、って思っちゃって。陽向は笑って隣の席に来てクリームを拭き取ってくれた。こうなるって分かってつけたのに、こっちの顔が赤くなる。甘すぎる、クレープをなんとか食べ終わった。
次はプリクラだ!ってお前はJKかって。というか、写真は撮ったらだめなのにプリクラはいいんだ。つられるがままにプリクラに入る。ポーズも陽向がリードする。それ、ちょっと古いから。もしかして夜な夜な考えたとか?まさかね?最後の一枚の時、陽向が手を私に向かって差し出した。
「ん?」
って不思議がる私の手に陽向が自分の手をからめて、カメラによくうつるように顔の横へ持っていく。これって、もしかして恋人つなぎ!手をつながれたまま落書きブースに連れられる。落書きに集中できない…。さすがにそのあとすぐはなしてもらったけど。
帰り際に、駅で待ちながら飲もうと、コーヒーショップでホットラテを買うことにした。クレープは陽向が選んで買ってくれたので、ドリンクは私がオススメを買っていってあげる。お会計を済まして陽向のもとへ向かう。
「キャラメルかチョコ、どっちがいい?」
ものすごく悩んでる。チョコ美味しいしオススメ、って私が言ったら、最終的に私がキャラメルを、陽向がチョコを飲むことになった。ホットラテのカップを手に、駅へ向かう。こんな瞬間も、楽しいなんて。久しぶりだ。
帰りの電車で、私は疲れて寝てしまった。一駅前で起きたのだが、起きたのはスマホのカメラのシャッター音が聞こえた気がしたから。私に気づいて陽向がなぜか焦ってスマホを隠している。撮ったのこいつだな。
「写真、撮らないって約束じゃなかったっけ?」
っていいながら電車を降りて、駅から出たところで私は陽向が撮った写真を消すため、スマホを奪おうと手を伸ばす。私より遙かに身長の高い陽向はそれをさらりとかわして、高いところにスマホを掲げ、
「とれるなら、とりな!」
って、私をからかう。これにのったら、なんか負ける泣きがして、今回は諦めてやった。
「そういえば、明日は図書館に行きたいっていってたよね?」
「うん」
って会話しながら帰り道をたどる。
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