職場のモテ男×職場の地味男

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────遡ること1週間前 部署の飲み会で、俺はたまたま日下部の隣の席になった。 周りの視線がいたたまれなかったが、顔を上げなければ問題ない。 俺は自分に言い聞かせた。 だが、それにも限界がきた。 俺は立ち上がり、トイレに行くふりをして店の外に出た。 「はぁ...」 「疲れるよな。」 「え!?」 俺に声を掛けたのは、まさかの日下部だった。 「飲み会はいいのか?」 「知らない笑」 「知らないって、みんな日下部と話したがってるだろ。」 「俺は話したくないから。」 俺の目の前にいる人は誰だ? キラキラ笑顔の日下部はどこへ行った? 「周りは俺の見た目しか見てないから。」 「見た目がいい事は認めるんだな。」 「まぁね笑」 「なんかいつもと印象違うな。」 「これが俺だよ。」 「そっちの方がいい。」 「そう?」 「うん。」 「なぁ、このまま2人で飲みに行こうよ。」 「え!?」 俺は驚きのあまり目を丸くした。 「あそこに戻りたい?」 「それは...遠慮します。」 「なら行こ。大丈夫。俺が上手く言っとく。ちょっと待ってて。」 そういうと、日下部は飲み会の席へと戻って行った。
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