職場のモテ男×職場の地味男

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トゥルルルルルル…… 「ん……スマホどこだっけ。」 俺は手探りでベッドに置いたスマートフォンを探した。 「もしもし。」 「もしもし、寝てたか?」 声の主は、日下部だった。 「うん。今、起きた。」 俺は話しながら起き上がり、テーブルに置いてある眼鏡をかけた。 「おはよう。日下部。」 「おはよ。ってもう12時だけど笑」 「ほんとだ。寝すぎたわ。」 「体調は?二日酔いしてない?」 「それは大丈夫。腹は減ってるけど。」 俺は通話をスピーカーに切り替えて、キッチンへ向かった。 だが、冷蔵庫には飲み物しか入っていなかった。 「なんか食べる?」 「カップ麺食べようかな。」 俺はラーメンにポットのお湯を注ぐと、顔を洗う為、洗面所へと向かった。 「音うるさくないか?」 「全然。むしろ、坂下の生活音聞けるから落ち着く。」 「そうなの?」 「うん。1人だと無音でつまらない。」 「なら繋げたままゲームする?」 「俺は構わないけど、坂下はいいのか?」 「ああ。」 ピーピーピー 「何の音?」 「タイマー。3分経った。」 「ラーメンか。」 「そうそう。食べていい?」 「もちろん。俺も食べよっと。」 電話越しに、お互いに麺をすする音が聞こえる。 不思議な感覚だ。
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