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「くしゅんっ」
濡れたスーツを着たままなので、さすがに身体が冷えてきた。
俺はスーツを脱ぐと、バスルームへ向かった。
「鳴海!?」
俺は、バスルームがガラス張りだったことをすっかり忘れていた。
「すみません!先輩。バスローブを取りに来ただけなので。先輩の鍛えられた腹筋は見てませんから。」
「見てるじゃん笑。鳴海も入ってこいよ。身体冷えるぞ。」
「でも……」
こんなチャンス二度と無いかもしれない。
だが、意識している先輩と風呂に入って、俺の理性は保たれるだろうか?
あー、どうすればいい?
俺は思わず頭を抱えた。
「鳴海、具合わるいのか?」
「え?」
先輩は風呂の扉を開け、俺の顔を覗き込んだ。
俺はまた、ここのバスルームがガラス張りだということを忘れていた。
俺の行動も、先輩には丸見えなのだ。
「ほら、身体が冷えきってる。早く温めないと。」
先輩は俺のバスローブを脱がし始めた。
「先輩、待って//」
「だめ。唇も紫じゃないか。」
「だけど……///」
「男同士だから恥ずかしがることないだろ?」
先輩だから、意識するんです。
とはとても言えない。
俺は先輩に手を引っ張られ、バスルームへと足を踏み入れた。
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