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職場のモテ男×職場の地味男
「日下部くん、今日も格好いいよね。」
「あんなに男前なのに、恋人居ないらしいよ。」
「あー、見てるだけで目の保養だわ。」
「私なんて、日下部くんに会うために会社来てるからね。」
なんていう会話が聞こえてくるのは、日常茶飯事。
今日も気が散って、仕事に集中できない。
それも全て、俺の隣に座っている日下部というモテ男のせいだ。
日下部と俺は同期入社。
入社当時から、仕事が出来る上、見た目も性格もいいときたらモテないわけが無い。
対する俺は、日下部とは正反対。
仕事に関してはそれなりにできる方だが、見た目はお世辞でもいいとは言えない。
それに加えて、人と話すことも苦手な、所謂、陰キャだ。
「坂下、おーい、聞いてる?」
「わぁ!」
「ははっ、驚きすぎ。」
不意に日下部に声を掛けられた俺は、驚きを隠せなかった。
「どうした?」
「このマンガ面白かった。」
「え!?読んでくれたのか?」
「うん。坂下が薦めてくれたから。」
「そっか。よかった。」
俺は思わず微笑んだ。
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