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08話ドアドア
「①」
ーー????ーー
ドアの向こう先には果てしないモノがあった。そこには何もない真っ暗な広い空間だった。私がドアが好きなのはこのドアを開ければ未知の知らない場所を連れてってくれると信じているから……。
でも、そのドアはきっとーー、
開けてはいけないナニカがあるから。
そう、私は。
…………。
ーーーーーーー。
私は部屋で目を覚ます。
背筋と口を伸ばして眠気を取り、カーテンの窓を開けてお日様を浴びる。
私は幼い頃から毎晩、夢を見る。
その夢は小さな個室の部屋についてるドアを開ける夢。
そのドアの向こう先にドアがある。
私はそのドアを開け続けているが出口の先は見てない。
きっと、その向こう先には必ずゴールはあるだろうと……。
私は頭をさっぱりするために一階の洗面所に顔を洗いに下りた。
ーー部室内ーー
「では、次は高波が披露してくれ」
「はい」
私は部室で怪異談を披露する。
いつもの馴染みの部員である。
そこでいつものように怪異談を披露してるとーー。
ドクン。
ドクン。
私の心臓の胸が高鳴りする。
そう、そこの目の前に見慣れないドアがあったからだ。
私はふとそのドアに取り憑かれたようにドアを目指すと私の左腕が掴まれる。
「行ってはいけません!!何かの罠ですよ!部長」
「鼻木……」
私は一瞬躊躇ってしまったがどうもあのドアが気になってしまい鼻木に悪いがそのドアを開けるといた。
ーーその寝室で寝ている鼻木が。
「え?え?え?」
私はパニックになった。では、そこにいる鼻木は一体だれ?
「部長~きーけーんでーすーよー」
私は驚愕した。その左腕を掴む彼はミイラ姿であり、他の部員も似たような姿をしていたから。
私は迷わずそのまま鼻木の寝ている寝室に入るとそのドアは消えた。
するとその寝室で寝ていた鼻木が起きてしまった。
「ん~?なんだなんだ騒がしいな。……て!?部長!!あ、その姿どうしたんですか?まさか夜這い?」
「夜這い?何を……きゃああああ!?み、みるなーー!?」
私の全身姿は生まれたままの裸でいたからだ。
するとそのまま意識を失うと自分の部屋にいた。
着衣はパジャマ姿だったが見られてしまった。
そう、あいつに。
「②」
ーー野薔薇高校1年B組ーー
「おはよう……」
「……」
はぁ、気まずいな。
やっぱりあれは夢だったのだろうか?
しかもあのおっぱいは部長本人だったから。
そして今日も顔合わせても見せてくれない。
ふと、やはりあのおっぱい怪異談を披露するのはどうかなーと思っていると、そこに般若顔した部長が俺の頭にアイアンクローをしてくる。
あががががが。
なぜ?
「鼻木。あれは夢なんだよな?私がお前の家に上がり込むじゃないし。お前はみてないんだ。そう何も」
アイアンクローをかましながらつぶつぶとつぶやいてる部長。
やはりあれは夢じゃなかあがががががが!?
ちょっ!?あがががががが。
やばい。三途の河が見えてくる。
目の前に死んだばあちゃんが。
あがががががが。
鼻木和馬が寝静まる晩におっ……胸が浮かんで見えるのはどうやら夜尻真夜の姿だった。それ以降、彼の怪異談を披露するのは二度となかった。そして彼らもまた怪異談を鳴かせていくのである。
ドアドア 完
登場人物紹介
鼻木和馬
夜尻真夜
猫見蜜柑
毒川里美
梅田虫男
星田美冬
高波美衣子
野薔薇怪異談Prologue 完結
作:野花まり♂
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