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03話マジギリBOM!
「①」
ーー野薔薇アーケードゲームセンター街ーー
ここは腕に見覚えのあるゲーマー達が集う名を知れたアーケードゲームセンター。
そこにそこそこ名を知れた夜尻真夜も参戦する。
彼女はこのゲームセンターでは女豹と呼ばれており、数多くのアーケードゲームを攻略している。
そう、彼女が手にかかれば赤子の手に捻るようなモノであった。
そして、真夜は早速クレーンゲームをプレイ中に携帯から着信が入る。
着信メロディは魔法少女パクリナのアニメオープニング曲でもある。
少しタイミングがズレてしまった彼女はキレ気味で携帯の着信を取る。
「もしもし……なんだ鼻木か。何のようだ?」
馴染みの部員だと知るが、その時彼の語る話に恐怖体験が巻き込まれる。
「②」
ーー魚谷株式会社お客様相談センター ーー
僕の名前は吉松太郎。25歳。
ここの場所はお客様からのクレーム対応処理する職場である。
そしていつものようにクレーム対応処理してると、とあるお客様から電話が来る。
「はい。こちら魚谷株式会社お客様相談センターです」
『……あの!実はブッギーの皮がいいのにめくれなくて』
ブッギーとは、うちの会社の主力商品の魚肉ソーセージのことである。
僕はいつものように丁寧にクレーム対応処理する。
そして一旦解決かなぁと電話を切ろうとすると、
『あの!お、俺、実は結婚するんだよ』
「は?そのことについてうちの会社とどういう関係あるのでしょうか?」
『か、関係あるんだよ!?だから』
とんだ構ってちゃんなクレーマーだったから、もうそろそろ定時なのであがりたかった僕は丁寧に一言二言を言って電話を切った。
その後、定時なった僕はそのまま退社した。
ーー次の日ーー
『まいどありがとうございます。烏丸食品でございます。本日はどの用件ですか?』
「すみません!じ、実は……」
僕は何がなんであっても電話の会話を長引かせようとする。すると相手もマジギリしたかったのか、丁寧にやんわりと切られてしまった。
その時、青ざめた僕は冷蔵庫から草サイダーを取り出してソファーで座り飲み干す。
しばらくして僕は身体ごと消失した。
「③」
『その後、マジギリしたくなるクレーム電話からマジで電話を切られると存在ごと抹消したくなるそうですよ。部長』
その電話から語られる怪異談を聞いてマジギリしたくなる真夜はそのまま切ろうとすると、
「あれ?部長も来てたんですか?」
「え?」とその馴染みの覚えある声は鼻木だった。
『もしもし?どうしましたか?』
その電話先はたしかに鼻木の声である。
一体どういうことなんだろう?と、真夜はおそるおそる尋ねると、
『ぐげげげげげげげげげげげげげげげげげげげげ』
その電話の声から気味が悪い男性の笑い声がした。
真夜はそのまま気を失って倒れてしまった。
「④」
ーー星田美冬の自宅ーー
「あらら。大丈夫?真夜さん」
「う、うん」
俺たちは様子がおかしかった部長を星田先輩にお祓いしてもらったところである。
星田先輩は見習いエクシストだから、たいていの悪霊や悪魔など祓うことができるから、俺も懇意してるがほとんどは星田先輩のおっ……胸を見たさに訪れているからな。
「でも、まさか部長にも体質だったとは驚きですね」
「嬉しいのやら嬉しくないような……」
部長はしばらくグロッキーの状態だった。
「⑤」
ーー鼻木和馬の自宅ーー
「はい。もしもし。あー部長。どうしたんですか?こんな夜中に」
『じ、じつはな。そ、』
部長はあの恐怖体験の出来事から、俺の携帯に毎晩かけるようになった。どうも、本人なのか確認せずいられなくなったらしい。
まぁ、こちとらはマジギリしたくなる案件なのだが、部長がしおらしく愛おしくなったので試しに「部長てたまにはそういうところ可愛いですよね」と半分冗談に言ったらマジギリされた。
その日以降、2度と晩遅くに電話をかけることはなくなった。
マジギリBOM! 完
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