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07話土管台
「①」
とある野薔薇市にある空き地にある土管台がそびえ立つ。
それは曰く付きの土管台。
なぜここに建てられれているのかは不明であり、そこには深い闇の穴の底である。
そして鼻木達もここに訪れて鳴かせていくーー。
ーー野薔薇駅前ーー
ちょうど昼前の時間帯。
そこそこ駅乗り換えで人々の往来が盛んである。
そこに駅前のタクシー乗り場の近くで高波美衣子は部員達と待ち合わせしてる。
携帯のメールをいじりながら待っているとそこに鼻木達がやってきた。
「みんな。待ってたよ♪」
部員達が合流した所で真夜の空き腹が空いていたので彼らは駅前近くの喫茶店でお昼にすることになった。
「②」
ーー猫山喫茶店ーー
「いらっしゃいませ♪」
ここは去年猫カフェとしてオープンした猫達と触れ合える喫茶店である。
いくつか猫達と触れ合う部員達。
本来の目的を忘れるほど彼らはじっくりと長居してしまうほどだった。
ーー2時間後ーー
「部長。そろそろ行きましょうよ」
と、新しく入部した星田美冬は自身のフェロモンでまとわりつく子猫達を剥がすのが必死だった。
部員達も割り勘で各自お会計済ませると美衣子は見慣れない子猫を発見する。
その子猫はしばらくするとフッと煙のように消えた。
「あら。ミーコちゃん来てたみたいですね」
女性店員がそうつぶやく。その子猫は幽霊猫と告げられると猫見蜜柑以外背筋がブルッとくる寒気を感じた部員達だった。
そして、そのまま店を出た後は目的地へ向かった。
「③」
ーー土管台の空き地ーー
喫茶店からまっすぐ交差点の右折した所に住宅街がある。そこに何軒かに目的地である土管台がそびえ立つ空き地があった。
その土管台はあの配管工のヒゲ親父の大人1人がすっぽりとハマれそうな立派な茶色の土管台だった。
そこで鼻木達はこの辺りを調べてみたがあるのは周辺は散らばる小石だらけだった。
ふと、鼻木は何か思ったのか、その小石を土管台の中に捨ててみた。
「…………」
土管の中にはどうやら深い穴底のようで捨てた小石も物音などはしなかった。
次に虫男と美冬はその場で霊視を試みたが無反応であった。
しばらくして夕方まで居座っていたが何もなさそうと感じた鼻木達は土管台を背に向けて帰路に向かうとするとーー、
「どかん!」と発声する中年男性が聴こえた。
蜜柑以外周辺を見渡すと誰もいなかったが確かに「どかん!」と発声する中年男性が聴こえた。
そして、また「どかん!」と聴こえるがその場を確認することはなくそのまま各自帰路に向かった。
「④」
ーー鼻木の部屋ーー
和馬が寝静まる晩に再び強い金縛りがやってきた。
また、彼のおっ……胸絡みだと感じていたが今晩だけは違っていた。
そう、誰かの息遣いが感じていた。
和馬はうっすらと瞼を開けると、そこに青白い中年男性がいた。
「どかん」と和馬の耳元に囁くとそのまま部屋のドアを開けて退出した同時に強い金縛りが解かれた。
和馬の額からびっしりと冷や汗が出ていた。
ーー次の日ーー
和馬は部室内で部員達の前でその場で披露すると蜜柑以外真夜達はよそよそしかった。
どうやら、和馬の他にも部員達の前に現れたぽかったからだ。
そしてしばらくしてその土管台の近くの立札に「土管の中に物を投げないでください」と書かれていた。
土管台 完
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