18 再びの恋

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 ある深夜に相良がやって来た。何も言わずに煙草の匂いのする体を柊真に巻き付けてきた。  その日から彼は度々やって来た。狭いソファの上で、柊真は彼に言われるがままに彼の求めに応じて彼に触れた。  性欲を満たせば、相良は彼の巣に戻って行く。引き留めてはいけない。ここは彼の家だが今は柊真がいて、彼の気が休まるところでは無い。  相良ははっきりとした言葉を嫌がった。言おうとすると両手で口を塞がれた。その内にそれが二人の戯れになった。  その掌を舐めて彼の手を外した後に、ゆっくり顔を近付けて口付けをする。焦らすように彼の身体を弄る。激しいよりも緩やかなセックスを彼は好む。知っている。丁寧に時間をかけて愛撫すれば甘い吐息で応えてくれる。  言葉より体の触れ合いで長い時間を彼と過ごした。  他の男たちが彼の体に溺れた理由が分かれば、それだけで奴らと同じ疾しい生き物になった気がして居心地は悪かった。
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