20 愛を埋めて

1/2
前へ
/46ページ
次へ

20 愛を埋めて

   柊真は大学での勉強を終えてからも、相良の家に居座り続けた。  組み立て式のベッドが届いたのは突然だった。業者が来たと同時に相良が現れた。  荷物置きになっていた一部屋を片付けながら相良が言った。 「いつかの君と一緒だわ。私も本当は片付けが苦手」  最近は余り着る機会がなくなったと言う女性用の服を広げながら、 「捨てようかな」 と相良が言うので止めた。 「似合ってたから。捨てなくていいよ」 「流行りの服を着たいから。また買うわ」  相良はゴミ袋の山を作った。  その後、その部屋でベッドを組み立てた。 「手際が良いね」  相良が褒めてくれた事が嬉しくて柊真は張り切った。    組み立てが終わり、ベッドマットを置いて、二人でそこに寝転んだ。 「シーツを敷かなくちゃ」 「そうだね……」
/46ページ

最初のコメントを投稿しよう!

31人が本棚に入れています
本棚に追加