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ともあれ、時間も時間なのでさっそく傘作りに着手。目の前には竹、漆、和紙などホームセンターで購入した品々。……うん、ほんと何でもありますね、ホームセンター。むしろ、なんで傘だけ無かったのでしょう。
――それから、40分ほど経て。
「……あの、なんかすごいですね先輩」
「……そっか、ありがとう。でも、玲音ちゃんも凄く手際が良いよ。とても初めてとは思えない」
「……あ、ありがとうございます」
それから、数十分経て。
そう、ほぼ黙々と作業に集中する先輩を尊敬の目で見つめながら伝える私。まあ、一緒に作業をしているので必要なコミュニケーションは取っていますけど、それ以外はほぼずっと作業に没頭していて。……しまった、話しかけちゃまずかったかな？ まあ、見たところ気分を害した様子はありませんが。
その後も、さながら職人さんの如く作業を進めていく先輩。……うん、申し訳ない。申し訳ないのですが――
「……あの、先輩？ 集中しているところ、お邪魔して申し訳ないのですが……なんで、こんなこと出来るんですか？」
そう、逡巡しつつも尋ねてみます。あくまで、私の知る限りではありますが……ですが、普通に傘を作れる高校生って、相当レアな気が――
「……うーん、それは多分、僕の家が代々継がれる和傘屋の家系だからだと思うんだけど……そう言えば、言ってなかったかな？」
「全く以て初耳ですけども!?」
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