10人が本棚に入れています
本棚に追加
/45ページ
ゲームの中で『大竜厄役』は30年前の大事件だった。しかし『大竜厄役』は10年前の話。
私はどうやらクリエイトゲームの20年前くらいに生まれてしまったようだ。
この世界ではまだ一般人がポーションを作ることはできないし、魔術なんてもってのほか。
『大竜厄役』への対抗策で魔術師が全て国の管理下に置かれたまま、今もまだ人々は魔術を自由に使えないなのだ。
「やっぱりおわった……それじゃ前世の知識でチートなんてできないよう……」
へにゃり。耳を寝かせて私はソファで眠る。
ママたちが「かわーいーねー」なんて言って撫でてくれる。嬉しくてごろごろ言っちゃう。
ママたちとこうして過ごす日々は楽しい。でもいつまでも続く日々じゃないって分かってる。
◇
「ミミ太郎の売り飛ばし先が決まったぞ!」
バーン!
それは突然だった。
ドアを開けながら、ビッグボスが部屋にやってきて言ったのだ。
「う、うううりとばすって、売り飛ばしゃれちゃうんですかー!」
ビッグボスは金髪ギラギラの美形のお兄さん。
最初のコメントを投稿しよう!