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そして出てきたテルリオさんのお腹に――思いっきりナイフを突き立てた。
「ぎゃーっ!!」
「ぴえーっ!?」
わけがわからない。
噴水のように血しぶきを飛ばして倒れるテルリオさん。
悲鳴を上げる私。
綺麗な顔に返り血を浴びて、ビッグボスがにこやかに笑った。
「ほら、ポーションできてんだろ? 治せや」
「ひ、ひいい……」
私は震えながらポーションをテルリオさんに吞ませる。というか口の中に押し込んで無理矢理吞んで貰う。
この世界で実際にポーションを作るのは初めてなのだ。
石をみちみちに入れた瓶なので、ポーションの総量は見た目より少ない。
一滴残らず吞んで貰って、あとは奇跡に祈るしかない。かみさまーっ!
「ぐびげぼげぼげぼ」
「ひいい! のんでーっ! なおってくらしゃいーっ!」
ぴゅーっと噴き出す血。口から押し込むポーション。
ごくごくとなんとか吞んで貰って数秒。急に、吹き出す噴水の勢いが減った。
「お……」
ビッグボスが身を乗り出す。
次第に、血が収まっていく。ビッグボスが口笛を吹いた。
「ひゅーっ! やるじゃねえかミミ太郎! すげえな、こりゃあマジモンのヤクだぜ!」
「ひ……」
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