【第一部完結】のらねこ薬師と魔術師パパの、癒やしのねこねこ隠れ家カフェ~これからは家族で楽しく人生やり直しましゅ、宮廷にも裏組織にも帰りませんにゃん~

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「ハキハキしてて、いい子だったのにね」  ――シトラスさんが宮廷に戻って、一週間。  少しずつ夏の陽気になる日が増えてきて、カフェでは毎日日替わりフルーツのフルーツポンチがみんなのテーブルを彩っている。  シトラスさんはすっかり皆に親しまれていたようだった。顔が綺麗なのはもちろんなこと、言葉遣いも綺麗で接客も丁寧で、模範的なホール担当だったのだ。  スレディバルの皆さんはいい人たちなので、事情は深く追及せず、シトラスさんのことも和やかな思い出話にしてくれていた。助かるでしゅ。 「よっと……」  フルーツポンチを可愛く盛り付けて、今日は猫さんの白玉団子も添える。  見ているだけで涼しげでかわいい。  他にも、コーヒーゼリーやアイスコーヒーも、どんどん注文が出るようになっていた。 「みっ! かわいくできまちた!」 「では運びますね」 「み!」  帰り際、「私に働かせすぎ」とシトラスさんが言っていた。  父親としてぐっさり刺さったのだろう、クリフォードさんが以前よりホールに出るようにもなった。  私はその背中をぼんやりと眺める。
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