第一章

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 えーん! 生育環境最悪! 最悪の極み!  ちょっと臭い明らかに悪くなってるジュースを吞むのを必死に拒否しながら、私はどんどん覚醒していくのを感じた。  私は転生者。  前世の住所も電話番号も各種ログインパスワードもそらで言える。  私はよちっと気合いをいれてベビーベッド――代わりに使われているソファから身を起こし、大きな鏡に映る自分を見た。  ふわふわに広がった三毛猫色の髪。大きな瞳は緑色。  肌は真っ白くて頬はばら色、頭の上からはぴょっこりとふさふさの猫耳がはえている。 「にゃっ」  お尻をふりふりすると、長いかぎしっぽがゆらゆらと揺れる。幸運をひっかけるかぎしっぽ。  脱ぎ散らかされたハデな服に化粧品の山、肌もあらわで煙草を吸うママたち。  見る人が見れば発狂しそうな生育環境で、私という美少女――ミミは育てられていた。 「きゃっきゃっきゃ」  笑ってなきゃやってらんないでしゅ。 「鏡見て笑ってら。自分大好きじゃん、ミル」 「あんたはかわいーよねほんと」  ママたちが私を見ながらしみじみという。煙草を吸いながらだったりするけれど、皆の目はほんとに優しい。
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