お縄になりますか、養女になりますか

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彼はふう、……と溜息をつき、そして肩をすくめて笑った。 「わかりました。あなたの話を信じましょう」 「ほんとですか……!」 「ええ。まともな教育も受けていない捨て子のあなたが、5歳児とは思えないとんでもない知能と判断力、行動力を有しているとよぉくわかりました」 「え」 彼の瞳がギラッと光る。 やばい。これは、対応失敗したかもしれない。 「そうですね。私も無職とはいえ善良なる王国民。ここで容疑者を警邏騎士に突き出すのが妥当な判断ではあります。魔術師以外のポーション密造は最低でも懲役10年。あなたの場合マフィアの資金源となり、その上大抗争の間接的原因となった罪もありますので、最果ての水牢で終身刑の可能性も――」 「ぎゃーーーーーっ!!!!!」 私は叫びながらドアをカリカリカリカリカリカリかきむしった。 外に人がいるなんて構ってられない! 逃げないと! 逃げないと! 「まあまあ。あまり傷をつけると傷跡からあなたの足がつきますよ」 「ぴゃっ」 クリフォードなる男は私の両脇に手を入れて抱きかかえ、ぽんと向かいのソファに座らせ直す。
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