なしくずし契約親子

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なしくずし契約親子

うさんくさいアラサー男性、クリフォードさんに連れられた宿はいわゆるホテル。 貴族やお金持ちの商人の人が泊まるような、ルームサービスや広いベッドがあるすごいホテルだ。 圧倒的美しい世界に、私はこの世界にもリッツみたいなホテルがあるんだなと感動した。リッツに行けるような前世じゃなかったけど。 私はそこでルームサービスのお姉さんに、わしゃわしゃとお風呂で丹念に洗われた。 どす黒いお湯が出てくる、シラミだらけの子どもにも嫌な顔一つせず、彼女たちは私を綺麗にしてくれた。 「あらおかわいらしい」 思わず本音が漏れた、といった感じに、お姉さんたちは私を見て嬉しそうな顔を見せる。 髪を乾かされ、清潔なお洋服を用意され、姿見の前に立つ私はとってもかわいらしい女の子だった。 「わあ……!」 ビッグボスとママたちに猫かわいがりされて飾り立てられていたころを思い出して、思わずうるっとしてしまう。 どんな最悪の生育環境であれ、なんだかんだ愛情たっぷりに育てられていたと信じている。 「きれいになりましたね。かゆいところや、気になるところはありませんか?」 「ありません」
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