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「よかった。……これから私の娘になってくれたら、毎日お風呂に入れる生活をお約束しましょう」
「……」
そう言われると、この心地よさを捨てたくないとくらっとしてしまう。
続いて部屋に持ち込まれた食事を、私たちはこれまた綺麗なダイニングルームで食べた。
聖猫族とはいえ、食べるものは人間と同じだ。
「いきなり食事をとってお腹がびっくりするのなら、今日はリゾットだけにもできますよ」
「大丈夫でしゅ。私、胃袋は強いので」
もぐもぐと食べる私に、クリフォードさんは適切に気遣いをしてくれる。
全てが行き届いている。幼女に対する対応が適切すぎる。
「……うさんくさい……」
「何か言いましたか?」
「なんでもないでしゅ~」
とにかくお腹をふくらかさないと。私はもぐもぐとご飯を食べた。
食べながら、クリフォードさんは一方的に、時に私の質問に答えながら、色々話して聞かせてくれた。
私たちがいる街はケーラという。北に海、東に大河が面した大きな街だ。
けれどクリフォードさんが言うには、ケーラは国の中では西の外れにあり、規模としては10本の指に数えられるほどの街だという。
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