なしくずし契約親子

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いわゆる政令指定都市くらいの感じなのかなと、私は自分の知識を更新した。 「街道沿いに少し行った場所に、知人に譲り受けた土地があるんですよ。水が綺麗で鍾乳洞もあって、タケノコも美味しい土地です。そこで、私はカフェでも営んでまったり第二の人生でも送ろうかと思っているのですよ」 「カフェ……」 「『大竜厄役』で故郷を失い、しばらく中央で官僚をしていた男が、亡き妻の残した愛娘と一緒に自然豊かな街で育児をする……美しい設定だと思いませんか?」 「せ、設定って……」 私はそう聞きながらも、心惹かれるものはあった。 今までと同じ街に暮らしていては、いつかまた誰かに捕まってしまう。
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