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「いずれ正式に魔術師になるための口利きくらいはお約束しましょう」
「にゃっ!?」
思わず身を乗り出す。彼は頷いた。
「私があなたを選んだ理由、それはポーションにあります」
「ポーション……ですか」
「宮廷魔術師でも知らないポーションの作り方でおどろきました。私はあなたの才能に興味がある。どうです、田舎でこっそりポーション密造するのは?」
「……密造は、もうやでしゅ。ポーションの作り方は教えましゅ。……でも私はもう危ない道はあんまり渡りたくありません」
「わかりました、尊重しましょう。ではあくまで父娘としての契約。それでよろしいですか?」
「……うさんくさい……」
「なぜです」
「だって私にとって、あまりにも都合がよすぎましぇんか?」
「そういうことも生きていたら在りますよ」
「にゃあ~」
そう訝しんだとしても、結局私に選択権はあってないようなものだ。
明らかに怪しいクリフォードさんだけど、天涯孤独で後ろ盾も失った違法ポーション密造幼女ミルシェットに選択権はなかった。
食事の後、私はクリフォードさんを見上げて言った。
「一応仮契約ってことはできましゅか」
「仮契約?」
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