新しい我が家の町、スレディバルへ

1/5

9人が本棚に入れています
本棚に追加
/45ページ

新しい我が家の町、スレディバルへ

翌日、馬車は数日をかけて政令指定都市的な規模のケーラから、山あいの街スレディバルまで向かった。 太陽の日差しを浴びたキラキラの新緑。街の中心を川が流れていて、気化熱で涼やかな風が吹き抜ける。 木造の三角屋根の家々には窓辺に花が飾られていて、のどかで素敵だ。 同時に、それでいて街道に通じた街なので、人の流れは活発で、市場は賑やかで若々しい。 ダンジョンもそれほど離れていないので冒険者もちらほらいるが、人数は多くない。よって治安も悪くなさそう。実に理想的な田舎町だ。 「あのアプリゲームの世界観、思い出すにゃあ……」 「どうしましたかミルシェットさん」 「なんでもないでしゅ」 私たちの家は街の中心から結構外れた、山道の上にあった。 前世で言うなら「わあ~!ジ○リに出てきそう!」と感想が出てきそうな、森の小さな一軒家だ。 「素敵な場所でしょう?私、あこがれだったんですよねー」 私よりうきうきとした様子で、クリフォードさんは一軒家の鍵を開ける。 中は既に掃除がされていた。カウンターキッチンにテーブルセットまで用意されている。
/45ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9人が本棚に入れています
本棚に追加