新しい我が家の町、スレディバルへ

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「ふふ、有休消化中にちょいちょい来ては準備をしていましたので、後は店を開くばかりです」 「準備はずっとしてたんでしゅね」 「ええ。ケーラとこの町を行き来するなかで、あなたの噂を聞いたんです。そしてちょっと調べたらすぐに見つけちゃいました」 「こわい」 「ふふふ」 用意周到で怖い。 「とりあえず今日はゆっくりしましょう。街には料理屋もありますし、ご挨拶がてらに食事をして、日用品を買って寝ましょう。二階には既に部屋を用意していますからね」 「ありがとうございましゅ」 「いえいえ。パパですから♡」 にっこりと笑うクリフォードさんはうさんくさい。 二階にはソファがある居間と客間、そして二人分の寝室、小さめのダイニングキッチンと水回りがある。 前世の住環境の感覚でも広く感じる、のらねこ幼女には十分すぎるほどの部屋だ。 日当たりの良いソファを見ていると、不意に体が重くなる。意識に反して体が睡眠を求めていた。 「……少し、寝てもいいれしゅか」 「もちろんです。子どもはお昼寝が大事です」 「にゃー」 それでもとりあえず聖猫族としては長く起きすぎた。私はソファにごろっと横たわって丸くなる。
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