9人が本棚に入れています
本棚に追加
/45ページ
「ふふ、有休消化中にちょいちょい来ては準備をしていましたので、後は店を開くばかりです」
「準備はずっとしてたんでしゅね」
「ええ。ケーラとこの町を行き来するなかで、あなたの噂を聞いたんです。そしてちょっと調べたらすぐに見つけちゃいました」
「こわい」
「ふふふ」
用意周到で怖い。
「とりあえず今日はゆっくりしましょう。街には料理屋もありますし、ご挨拶がてらに食事をして、日用品を買って寝ましょう。二階には既に部屋を用意していますからね」
「ありがとうございましゅ」
「いえいえ。パパですから♡」
にっこりと笑うクリフォードさんはうさんくさい。
二階にはソファがある居間と客間、そして二人分の寝室、小さめのダイニングキッチンと水回りがある。
前世の住環境の感覚でも広く感じる、のらねこ幼女には十分すぎるほどの部屋だ。
日当たりの良いソファを見ていると、不意に体が重くなる。意識に反して体が睡眠を求めていた。
「……少し、寝てもいいれしゅか」
「もちろんです。子どもはお昼寝が大事です」
「にゃー」
それでもとりあえず聖猫族としては長く起きすぎた。私はソファにごろっと横たわって丸くなる。
最初のコメントを投稿しよう!