新しい我が家の町、スレディバルへ

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でも自分は一応転生前の記憶もある幼女なのだ。 役に立たないのは落ち着かない。 というわけで家の前の庭をんしょんしょとお掃除した。庭にいると、うちが気になった人が見にやってくる。 「こんにちは! よいお天気でしゅね!」 笑顔でにっこり挨拶。怪しいと思われはおしまいだ。 追っ手だったらどうしようと不安だったけど、笑顔は大事! すると見に来た人も、にっこりと挨拶を返してくれる。よかった、追っ手じゃないみたい。 「お手伝いえらいね、猫ちゃん!」 「にゃん! ミルシェットっていいましゅ!」 「ミルシェットちゃんか~。お店開いたら行くね!」 「ありがとうございましゅ! よろしくおねがいしましゅ!」 ぺこーと頭を下げる。愛嬌を振りまくのは得意だ。 お掃除が終わったところで家に戻ると、カフェスペースがまたいっそう、完成度を増していた。 「にゃあ……!」 床はワックスで磨かれてぴかぴか。テーブルクロスは赤と白のチェック。戸棚にはかわいらしい花柄のカップが並べられている。 レースのカーテンで覆われた窓は、なぜか不思議な色がちかちかとステンドグラスのように瞬いている。
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