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「聖猫族の子なんて面白いから飼おうよ」
なんて引き取ってくれたのがママたちなのだ。
自分たちが私の世話をするという条件で私を飼う許可を得てくれたのだ。
ママたちが飼ってくれていなかったら、私は売り飛ばされてどうなっていたのか分からない。だって総元締め、マフィアの親分、その名もビッグボスはこの辺を牛耳るヤのつくご職業の元締めだから。
生育環境最悪なんてやっぱ嘘!
みんな一般常識ないけどママたちみんな優しい!
ありがとうママ! ビッグラブ!
「ママ、私ミルクがほしいでしゅ。それかお水がいいでしゅ」
突然しゃべり出した私に、ママたちはぎょっとする。
「えっなになに? 成長早くない?」
「天才じゃん。うちら育児の天才じゃね?」
「すっげー! ミミやるじゃん!」
育児知識がザルなママたちは、シンプルに私の変貌に目を丸くして拍手してくれた。ぱちぱち。
「ほらミルクやるよ」
「ありがとうでしゅ。せめて粉は熱湯で溶かしてくれると嬉しいでしゅ。下痢の回数が減りますでしゅ」
「注文多いな~」
「そこをなんとかでしゅ」
「おねだりかわいいなお前~~!!」
そして無事に正しい溶き方をした粉ミルクを口にした私は、強く誓ったのだ。
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