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生まれてしまったからには、絶対平穏無事に生き抜いてみせると。
たとえ粉ミルクの溶いたマドラー洗ってない長いネイルをした指だろうが、哺乳瓶が洗ってなかろうが、粉ミルクになんか浮いてたきがしようが、私は生きるのだ!
◇
転生者だと自覚してから月日は流れ、私は3歳になった。
相変わらず、私は娼館でママたちに育てられている。
「レイラママ~、今朝の朝刊読み終わりまちた! 次の雑誌ほしいでしゅ!」
「おっけー、でも客ピが置いてった魔術ゴルフ雑誌しかねえわ」
「読みまちゅ! まちゅ! ぴちゅ!」
「まじで? 天才じゃん。自力で魔術とか使えるようになりそう」
「だはは、そしたら一発で逮捕じゃん~!」
ママたちが乳房ぶるんぶるんさせながら煙草を吸って笑っている。
一生懸命頑張って夜通しはたらいた後の一服を邪魔しないように雑誌とレターセットを山ほど貰って、私はよじよじと部屋のソファに登って本を読む。
私は本や雑誌を貰ってきて貰うかわりに、ママたちがお客様に渡すお手紙の代筆もしているのだ。
3歳児の字でいけるのかって? 嘗めちゃあいけない。
ママたちのほとんどは読み書きができないのだ!
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