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プロローグ
「おまたせしました!」
ぴょこっ。
ふわふわ銀髪のちいさな幼女がキッチンから出てきてランチワゴンを引いてくる。
誇らしげつんと尖ったみけねこの耳としっぽは、聖猫族の血を引く証。
お客様は自分でワゴンからトレイを取り出す仕様。これなら、5歳の幼女でも安心。
本日のランチは、黒胡椒のようなものが乗ったカルボナーラと、サラダとハーブティ。
お冷やの中には綺麗なガラス玉がいくつも入っていて、キラキラで綺麗。
「おお、うまそうだな……」
「素敵ね、お嬢さん」
幼女はにこっと笑顔でお客様にご挨拶。
「どうぞ、ごゆっくりおめしあがりくだしゃい!」
かわいい接客に、お客様たちもにっこにこ。
地方都市スレディバルの隠れ家カフェは紹介制。
選ばれた人だけがたどり着ける、不思議なカフェ。
オーナーは黒髪眼鏡の物静かな男性で、ふわふわ幼女の優しいパパ。
カフェに来ればおいしい料理で悩みはすっきり、体の疲れもすっきり解決。
「のらねこカフェの料理には、何か魔法でもかかってるんじゃないのか?」
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