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グランスタ東京 駅弁屋 祭 「東京駅で駅弁といえば此処でしょう!」  島崎は早速電卓を取り出した。 「予算は1人いくら迄ですか!」 「俺は1,500円から2,000円かな」 「私はサンドイッチで良いですよ」 「なに言ってるんですか!旅と言えば駅弁ですよ!」  駅弁屋 祭 は連日日本全国駅弁祭りだ。サンドイッチで充分と渋る辰巳の袖を引き陳列ケースを三往復した。 「俺、これが良いわ」 「あっ、僕もそれが1番良いと思ってたんですよ!」 「神奈川県の牛か」 「やまゆり牛だそうですよ」 「すき焼きみたいなもんか、ビールに合うかな」  あれこれと悩んでいた辰巳のこめかみがピクリと動いた。 「昼間から呑むつもりですか!」 「仕事じゃないんだから問題ないだろ」 「弁護士バッジが泣きますよ!」  島崎が手際よく辰巳の弁護士バッジを外して手に握らせた。 「今はお仕事じゃないんですから、さぁ外して外して」 「ちょっ、待て」 •やまゆり牛しぐれ煮弁当 神奈川ブランド牛 やまゆり牛としらたき  瀬尾は冷え冷えのビールを3缶手に持った。 「じゃあ、私はこれにします。」 •しらす弁当 ごま油で炒めたしらすと桜海老 いくら醤油漬け 「辰巳さん、渋いですね」 「この歳になると肉は重い」 「2歳しか違わないのに」 「30代を侮らない方が良い」  そこで島崎が立て掛けられた新聞の傍らに旅行情報誌を発見して目を輝かせた。 「るるぶ!るるぶ買いましょう!」 「るるぶ、なんですか」 「辰巳はるるぶも知らないで弁護士やってんの?」 「弁護に必要ですか?」 「あー、弁護人の無実を証明する為に役にたつんだよ(嘘)」 「そうなんですか」  生真面目な辰巳は腕組みをして成る程と東京のるるぶを手に取った。
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