恋の壱ページ

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ふと、傍らに視線を向けると、あの時、傘を手渡してくれたその彼が佇んでいる事にワタシは気が付いた。 (………何だろう?………何だか、胸がドキドキしてる。………これって、恋の予感!?) ………勇気を持って、話し掛けてみよう! 「………あのっ、こんにちは!」 彼の傍らへと近付き、さりげなく挨拶をしようとするワタシ。その彼も、仄かに笑みを浮かべながら、挨拶を返してくれた。 「こんにちは。」 「あの、ワタシの事、覚えてくれてるかしら?一年も経ってるから、忘れてても仕方が無いけど。あの、その、傘を。」 「………覚えてる、よ。」 「………………!」 「それに、通学途中の君等の姿とは、何時もすれ違ってるしネ。」 「ワタシ、全然気が付かなかった。」 彼と再会出来た事。それは、咄嗟の出来事だった為に、その時のワタシ、気が動転してしまってて、それ以上何を話して良いのか迷ってたんだけど。
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