不審物

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「N国の仕業のようですね」 「だな」 「あんの~」 「なんだ?」 「これ、おらにくれねえべか?」  男の発言に、二人の警察官は、目と口を同時に開いた。その表情からは、驚きを隠せないようだ。  こんな汚いものをどうするのか? まさか……  そんなことを考えたのか、二人の警察官は、互いに顔を見合わせた。 「駄目だ。持ち帰って鑑識に回さなければならん。危険物が混じっていないとも限らないしな」  先輩の警察官が応対した。できるだけ落ち着いた口調で。 「じゃあ、鑑識とゆーのが終わったら、おらにくれる、とゆーのはどうだべか?」 「ふーむ。考えておこう……。ところで、そんな汚いもん何に使うつもりだ?」 「肥しにすんだよ。これ、絶対にええ肥しになるべ!」  やっぱり。  警察官二人の口から、ため息が漏れた。男の答えに脱力したようだ。
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