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「……悠乃。悠乃は、今後どうしたいんだ？」
「わから、ない」
和臣の問いかけに、悠乃はゆっくりとそう答える。
「私、もうどうすればいいのか、どうしたいのかもわからない」
「……そうか」
震える声でそう言えば、和臣が悠乃を抱きしめて背中を撫でてくれた。
両親を亡くして以来、悠乃はよく泣くようになった。そのたびに和臣はこうやって背中を撫でてくれたのだ。
「……俺も、出来れば口を挟みたいよ。好きかって言うなって」
「……わかってる。義兄さまは巻き込まれた人だもの」
「それは悠乃だって一緒だ。……あんな奴らに家を渡したくないとは、思う。でも、俺はこれ以上悠乃の苦しむ姿を見たくない」
そう言ってくれるだけで、悠乃は気持ちが少し救われたような感覚だった。
（義兄さまがいれば、私は大丈夫。……きっと、立ち向かっていられる）
このときは心の底からそう思っていた。間違いない。
だが、その気持ちはあるときぽっきりと折れてしまったのだ。
――とある、出来事によって。
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