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全裸のエルフの女性達が、両手両足を縛られた状態で拘束されているのである。それだけ見れば、特殊趣向の乱交パーティのようにも見えたかもしれない。実際、それまでマナが考えていた“最悪の事態”は、姉はそれに巻き込まれ、性的暴行によってずっと守っていた純潔を散らされているというものだった。
しかし――現実は、はるかにその上を行くものだったのである。
『あが、が……』
女性のうち一人は、腕のかわりに首を拘束されていた。理由は簡単。両腕がなくて、縛ることができなかったがゆえに。彼女の腕は肩のところからすっぱり切り落とされている。テーブルは大量の血でドス黒く変色していた。そして、恐ろしいことにそれだけではないのだ。
地下道から這い出したマナははっきり見てしまった。両腕を切り落とされた女性が横たわるテーブルには、白いお皿が置かれているのである。そのお皿には、こんもりと盛り付けられ、ほかほかと湯気を立てるステーキ肉があった。しかし、そのステーキ肉の形状が歪だ。まるで人間の肘のように曲がり、指らしきものが細かく刻まれて乗っており、骨の断面のようなものも見えて――。
――ま、まさか、まさかまさかまさかまさか!
『いやあああああああああああああああああああああああああああ!もう許して、許してえええええええええええええええええええええええ!お願い、お願い、もう痛いのいや、いやあああああああああああああああああああああ!!』
離れたテーブルから凄まじい絶叫が聞こえた。
そちらを見たマナは言葉を失う。勇者が、包丁を手にエルフの女性の前に立っているのだ。女性は既に、太ももの肉のほとんどが剥がれ落ち、白い骨ががっつりと覗いている状態だった。
『そうそう、もっともっと叫ぼうな。そうすると、肉に旨味が出て美味しくなるんだ。エルフの肉は薬になるが、ちょいとクセが強いからよお』
勇者は大量の返り血を浴びながら、女性の白い腹部にゆっくりと包丁を埋めていった。女性の悲鳴が大きくなる。しかし、ほとんど肉の残ってない足ではろくに暴れることができるはずもない。
『お前は、生きたまま腸を引きずり出してフライパンでこんがり焼いてやる。……くくく、いろんな料理を楽しんでやるぜ。俺はこの世界で、永遠に勇者として生き続けるんだからよお……!』
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