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パニック!近い!触れてる!
どストライクのイケメンがゼロ距離なのよ!!
触れ合っているところが熱くて、どちらの熱なのかわからない。
私がもともと熱かったのか、中條君が酔っていて熱いのか、はたまた二人でくっついているから熱いのか…。
いや、そんなのどうでもよかったわ!
意識しすぎて、自分でも何を言ってるのかわからない!!心音が爆音だ!!!
「佐原さん…」
呼ばれた気がした。
数秒前にも何か言われた気がしたけれど、聞こえなかった。
恐る恐る彼を見る。
きれいに整えられた黒髪に触れて頬が撫でられた。
「………何?」
今度はちゃんと返事をしてみる。
彼は顔を上げない。私の肩に乗せたまま。
かわりに額を擦るように押し付けた。
後ろ髪が揺れる。
一瞬の緊張――――…。
心臓が震えた。
違和感――。異変を感じたのは後か、前か…。
「やっっばい……、吐きそう」
「待って!ここではやめてっ!!絶っっ対に!!!」
咄嗟に引き剥がそうとした私は人でなしなのかもしれない…、ほんとにゴメン!
《6章 距離を詰める》
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