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7 駆け引き
あれから何とか耐えてもらって、中條君のマンションまで辿り着いた。
徒歩数分。思いのほか近くて助かった…。
彼は常備しているから要らないと言っていたけど、一人暮らしの男性の生活スタイル&酔っぱらいの言うことなんて信用できない。
一応、一階のスーパーで水とスポーツドリンクを買って、17階まで上がってきた。
「ねぇ、ここで合ってる?」
「……うん。鍵はこれ。開けて」
「ん、分かった」
待ってて…と組んでいた腕を離して鍵を受け取ると、彼は隣で静かに壁にもたれて待っている。
というか、さっきから大人しく言うことを聞いてくれるから、やりやすかったというか…。
こうなると、普段偉そうなこの男でも、ちょっとかわいい…とか思ってしまう不思議。
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