7 駆け引き

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喋れば喋るほど、最低具合があらわになる。 さっきまでのときめきかけた心が一気に萎んだ。 そうよね。この男はこれが平常運転だったわ…。 噂のクズは知れば知るほど、本物だと知る…っていうか。 とにかく、危なかった。一時の幻想で血迷うところだった。 これで思い残す事は何もない。心おきなく帰れます。 じゃ、お疲れ。今日はどうもありがとう。いい夢見ろよ…と、踵を返すと、なぜかさらに引き止められた。 「待ってよ。なぁ、ベッドまで運んでくれない?このままだと確実に玄関で寝る…」 たしかに…。その可能性は大いにあると思う。 それはそれで、ここまで連れて帰った私も不本意だ。
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